FC2ブログ
--. --. --  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2012. 11. 27  
23日(金・祝)、24日(土)に開催された山陰海岸ジオパーク国際学術会議「湯村会議」に事例報告者として参加してきました。
全体的に「ジオパーク=地質公園」という前提の発表が多かったので、
わたしの発表だけまた浮いていたかな(苦笑)

さて、二日間で感じたことをいくつか書きます。

まず最初に、わたしのジオパーク観を明確にしておきます。
以前このブログでも書きましたが、
ジオパーク実践の目的の一つは「地球と人が共存できる社会の実現」だとわたしは考えています。
貴重な地球遺産(地形・地質的なモノ)を守るのは、その遺産から地球の歴史を学ぶためです。

そしてもう一つ大事なこと。
ジオパークでは地球遺産のみならず、その場所独自の地形・地質環境で育まれている人の文化歴史を含めて、地域をストーリーとしてとらえることです。このジオストーリーがとても大事だと考えています。
このジオストーリーがないと、地球と人が共存できる社会とは何かを考えることができないからです。

で、山陰海岸ジオパークで感じたこと。
かなり辛目な発言の部分もあるかと思いますが、山陰海岸ジオパークがよくなることは、日本のジオパーク全体の底上げにつながることですから、あえて書きます。
あくまでも個人的な感想です。
山陰海岸ジオパークは3県にまたがっていますから、なかなか活動を展開していくのが難しいと思います。
でも、行政界を超えて展開していくことも、ジオパークの醍醐味だと思います。
そんな中でいろいろなことにチャレンジされている関係者のみなさまの苦労を今回感じました。
もちろん、室戸ジオパークもまだまだ未熟ですので、切磋琢磨できればうれしいです。

・主人公がいないなぁという印象を受けました。今回の国際会議も、せっかく外国で実践しているジオパーク関係者を招聘したのですから、もう少しさまざまな人が聴きに来ないともったいない気がしました。もっと地域住民や民間企業の方々に、ジオパークは自分もかかわることだと感じてもらうことが必要かと感じました。湯村温泉での宿泊先のスタッフも、地域住民も、ジオパークの国際会議が行われることすら知らないようでした。湯村温泉の街中に開催のポスターも見受けられなかったことは残念でした。学術会議だからといって閉じてしまうのではなく、広く地域住民に聴いてもらうことが、ジオパークの普及につながる気がします。
・ガイドさんの話す内容に「日本でここだけではないか」といった表現が多用されている印象を持ちました。「駐車場からこんなに近い滝は日本でもめずらしい」とか「自然改変を3つもやりとげたこの地域は、日本でも珍しいのではないか」といった表現は、根拠の曖昧さを感じましたし、日本でここだけ→だからなに?という印象を持ちました。そもそも希少性をそんなに主張しなくていいと思います。それよりは、ジオストーリーをきちんとお客さんに伝えることが重要な気がします。
・ジオパーク学習館の地形の成り立ちを学ぶ実験道具は、たいへんわかりやすくおもしろいと思いました。しかし、それを学んで具体的にどこでなにを見たらよいのかが不明確な気がしました。そもそも学習館の展示内容そのものがバラバラで、ジオストーリーが少ない印象を受けました。
・鳥取砂丘ジオパークセンターの風洞実験はたいへんわかりやすくおもしろかったです。あれはぜひ見てから砂丘を見学すべきですね。百倍?砂丘を楽しめる気がします。おすすめです。
・砂丘美術館は、想像以上に見ごたえがありました。鳥取砂丘の砂の特徴が情報として添えられると、よりジオパーク的な楽しみ方ができるように思います。
・地質の特徴とその環境ならではの人のくらしや地形が見えてきません。例えば、餘部鉄橋でリアス式海岸だから鉄橋をかける必要があったといった説明がありましたが、そもそもなぜリアス式海岸なのでしょうか?地質的視点のみならず、地形学的な視点も交えるとなにか言えるような気がします(難しいかな…)。また、酒蔵を訪れましたが、なぜここに酒蔵があるのか、もっと人文社会科学的な視点からもジオストーリーネタがある気がします。
・これは室戸ジオパークも同じなのですが、具体的にジオパークをどう楽しんでよいのかが、提示されていないように思います。友人同士なのか、家族連れなのか、高齢者なのか若者なのか、そういった多様なお客さんの視点に立った楽しみ方を具体的に提示する必要があると思います。あちこちにジオパークを活用したものが増えていること(ジオパークのロゴを使った商品や、道路にジオパークロードと名付けたとか)はわかったのですが、それをふらっといらっしゃったお客さんが楽しんでくれるのかが不安です。
・今回の事例発表でも言いましたが、一般的に岩(地質)の話は一般受けしにくいとわたしは思っています。一般観光客に興味を持ってもらうには相当な工夫が必要です。山陰海岸学習館も、地質ありき、植物ありき、生物ありきの展示の印象を受けました。もう少し横断的なストーリーのある展示が必要な気がしました。室戸ジオは今、拠点施設の計画を進めていますので、そこでも考えてみます。ジオパークにおける拠点施設の展示は難しいと思います。そこで見学したお客さんが、実際に現場に行きたくなるようなものにしないといけないのですから…。試行錯誤が必要ですね。

…このへんにしておきます(苦笑)
ただの批判だと解釈しないでくださいね。
ジオパークは、社会的インパクトの強いものに化ける気がしています。
だから、中身のないものにしたくないんです。
勝手な想いですいません…。
基本的にジオジオしているの嫌いなんですが、大きな可能性を感じているものですから(苦笑)

おわりに、最近いろいろな日本のジオパークを訪問させていただいているなかで感じたことを一言。
行政-研究者-住民、みんなが変わらなければやっぱりジオパークは持続的に動いていかないんだなぁということ。ジオパークは既存の枠組みを取っ払わないと展開しないと思います。学校教育だとか、生涯学習だとか観光だとか、行政の縦割りが前提だとなかなか持続的な活動は難しいのではないでしょうか。また、研究者にしても、専門が地質だからとか、地学教育だからだとかいっているうちは、なかなかジオパークは難しい。そして、地域住民も行政が勝手にやっていると思っているうちはだめですよね…。

なんておくふかい実践運動なんだろうか…ジオパークって。
そして室戸ジオも改善点がやまのようにある…(涙)
あぁ、やることたくさん…。
でも、わたしどんどんやっていいのかな?!(この夏以降、複雑な心境があるのです…涙)
スポンサーサイト
NEXT Entry
くろ・しろ・あか
NEW Topics
講演会のおしらせ
論文が掲載されました
不甲斐なさ
講演チラシ
ジオパーク活動に参考になる文献資料
カレンダー
09 | 2018/10 | 11
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
プロフィール

k.yuhora

Author:k.yuhora
琉球大学(学士)→筑波大学(修士)→北海道大学(博士)と北上してきました。
北大院生時代は、南幌町で離農した一軒家をお借りして、ミツバチと四季を感じながら暮らしていました。高知県室戸市の室戸ジオパーク推進協議会地理専門員を経て、現在、徳山大学経済学部准教授として働いております。

最近のトラックバック
ブログ内検索
ブロとも申請フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。